古い校舎が見える桜の木の下で
【浩太、起きれなくってごめん。
お正月、実家に帰ります。地元で会いたいな。
予定がはっきりしたら、連絡するね。】

とLINEでメッセージを送った。

そして、心配してもらった祐介くんと香苗にも

【祐介くん、香苗、いろいろありがとう。
浩太の気持ち、確認できました。
Wデート、ぜひ誘ってください。】

と連絡した。

まだ、浩太にも話せていなかったが、
自分の仕事のことで少し考えていることがあった。
それは、昨日、浩太から編集者の夢を応援したい
という感じのことを言われる前から考えていたことだ。
浩太から浩太自身が掴んだサッカー選手へのチャンスや
今回の教員採用試験の話を聞いているうちに

「私は何がやりたいんだろう。今のままでいいのかな。」

と考えていた。
事務の仕事は事務の仕事でいい面もある。
でも、やりたかったのは編集だ。
なぜ、編集なのか。
それは、自分が書いたものを使って、紙面づくりに携わりたかったのだ。

ライター…
自分が本当にやりたいものは「文を書くこと」なのでは?

うちの会社ではキャリア形成のための上司との面談があり、
異動希望などもそこで話す。
今年のキャリア面接では、
ライターになりたいことを伝えてみようと思っていた。
今回、浩太の気持ちを聞いて、私がフリーライターになれたら、
今の会社にこだわることなく浩太のそばでも仕事ができる。

キャリア面接までに仕事に対する自分の気持ちを
整理しようと思った。
< 39 / 57 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop