隣のマキオ
平日。
実家より会社から近い場所に引っ越したので、朝は随分とゆっくり出社できるようになった。

ちゃんと朝食を作り、メイクも髪も整え、部屋を出た。

ちらりと隣のドアを見る。

メイクしたら、私もちょっとはマシなんだけどな…

なんだか切ない気持ちになっていると、かちゃりとドアが開いた。

「お、おは…

「あ、おはようございます」

陶子より少し上くらいの年齢の、綺麗な女性に頭を下げられた。

彼女は、ドアをしめるとエレベーターに歩いていく。

陶子は、情けない気持ちになった。

自分と同世代の女性でも、ちゃんとマキオに女として扱われている人もいるのだ。

それに比べて、私は…

彼女の細い足首を見て、陶子は羨ましい気持ちでいっぱいになってしまった。
< 21 / 32 >

この作品をシェア

pagetop