興味があるなら恋をしよう−Ⅰ−
坂本さんが休憩室に行くのが見えた。
課長と何やら話があるようだけど、課長はまだ手が空かないようだった。
少しだけなら時間があるかも知れない。
私は小走りにフロアを出た。

コーヒーを買って、休憩室に入った。
お疲れ様です、と声は掛けたものの、最近の距離感は遠い。
坂本さんから距離を取られた感じがする。
私のせい?
お疲れ、と言葉は返してくれた。
人として当たり前か…。
こんな雰囲気の中では、話すどころか、たわいない事を口に出す事も出来ない。
やっぱり私が元凶…。解らないままだから。
そんな中、あんなメモを入れて終った事。そのままでは、誤解されて終うんじゃないかと思った。訳が解らない女だって…。

よくよく書いた内容を思い出して見れば、肝心な事は書いて無かったような気がする。…確か。あれでは、坂本さんを悩ませて終うだけ…。言っておかなくちゃ。その為に追いかけるようにして来たんだ。
坂本さん、と声が出掛けた時、課長が来た。

あぁ、コソコソ何かしてたなんて思われ無いだろうけど、罪悪感のような物も感じた。
声を掛けて休憩室から離れた。

人の事は言えない。
言いたい事は、言葉にするのにそんなに時間はかからない。何も言わずに行動してしまう事の方が質が悪い。どうしても言い難いならメールしてもいい。
あんなに普通に会って過ごしていたのに、もうずっと過去の出来事のようだ。……私が悪い。
近いのに。
突然訪問して拒否される事を想像して終って遠慮無い行動も出来ない。
元々私が、図々しく懐いて終ったんだ。…そうだ。
坂本さんが優しく受け入れてくれるから。
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