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考えてみれば、一年ほどの間であいつが出なかったことのほうがおかしくて。

ケイタに言わせると、私が気がついていなかっただけで、今までに何度もニアミスをしていたらしい。

「俺、ひとり暮らしっていうか、あいつと同居してたんだよな」
ケイタはけろっとそんなことをいった。

その日を境に私はケイタのうちに行かなくなった。

あいつと同居なんかしてるケイタの持ち物や着ている服に、それからケイタ自身に、もしかしたらあいつが触れたかもしれないと思うと、ケイタをうちに泊めたり抱き合ったりするのも嫌になってしまった。

もちろん、別れた理由があいつというわけではないけれど、大きなきっかけになったことは否定できない。

結局、ぎくしゃくし始めた私たちは別れたわけだけど、ケイタのことを嫌いになったわけではないし、それはケイタもおなじなのかな、と思ったりする。
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