8歳上のパパ【長期更新停止中】
2.バイトしない?
「……ふーん?
つまり、8歳しか違わないパパを意識しちゃったわけだ?」
「なっ!何言ってるの梨花子!
まだ一緒に暮らし始めて10日だよ?
そんなことあるわけないじゃん」
――場所が変わって、ここは高校の近くにあるドーナツ屋さん。
あれから家事を終わらせ、あたしは今、親友の梨花子〈リカコ〉と会っている。
平日なのに学校は?と思うかもしれないけど、3年生のあたしたちは、先週末に行われたセンター試験を最後に、受験に専念するため自由登校となっている。
あたしも梨花子も、11月に推薦で大学が決まっているから、今は休みを満喫している、というわけだ。
1週間ぶりに会った親友に、あたしはさっきの彼との出来事を話していた。
ドキドキしたのがバレないように「変なヤツでしょ〜」とわざとらしく言ったのに、さすがは小学校以来の親友。
「意識した」というあたしの心境を見事に言い当てた。
もちろん、思いっきり否定してやったけど。
でも内心はドキドキハラハラ。
あたし……おかしいのかな?
梨花子はそんなあたしを興味深そうに見つめていた。