8歳上のパパ【長期更新停止中】
17.突然のキス
日曜日はあっという間にやって来てしまった。
当然、ママは朝からご機嫌で、鼻唄を歌いながら念入りにメイクなんかしている。
一方の彼はと言うと……表情からは何も読み取れなかった。
いつものように、ソファーに腰を掛け、iPodを聞きながら届いたばかりの夕刊を見つめている。
「ねー美未、一志くん何時に来るって?」
メイクを終えたママがそそくさとやって来て、キッチンにいるあたしの方へ声を掛ける。
年甲斐もなくオシャレをしているママを横目に、あたしはぶっきらぼうに答えた。
「18時」
「そ♪楽しみだわー。
一志くん、びっくりするかしら?」
「……」
能天気なママの発言に少しムッとした。
何が「びっくりするかしら?」だ。
あたしは、そのせいで落ち着かないというのに。
ソファーに座る彼の横顔をそっと盗み見る。
びっくりするに決まってる。
一志はまだ、彼の存在を知らないのだから……。