8歳上のパパ【長期更新停止中】


近距離で感じる彼の息遣いに、頬が火照ってだんだんと熱さを増していく。


そんな自分に気付かれたくなくて、両手で頬を押さえた時、穏やかな声が再び耳に届いた。


「あ……そういえばさ、この前上司に言われたんだけど」

「……上司?」

「うん、中嶋さんっていうんだけどさ」

「あ、知ってます!」


確か営業部の部長さんだ。


小さい頃からママの会社には何度もお邪魔してるから、社員の人とは結構顔見知りだったりする。


中嶋さんは、外見は少しコワイけど面白い人で、小学生くらいの頃、文字通り‘邪魔’をしに行ったあたしを可愛がってくれた。


最近会ってないけど元気かな?



「……で?

中嶋さんがどうかしたんですか?」


あたしは、久しぶりに聞くその名前に懐かしさを覚えながら、彼に問いかけた。









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