8歳上のパパ【長期更新停止中】
わかっているはずだった。
彼を好きだと思う前から、頭の隅っこであたしは<娘>だと、言い聞かせていた。
でも、毎日お弁当を作るようになって。
あたしがバイトの日は、一緒に食べて。
だんだん近付く距離に、自惚れていたのかもしれない。
彼が見せる笑顔とか。
全てを包んでくれる優しさ。
ひとつひとつの言葉の温もり――……。
いつの間にか、どうしようもないくらいに好きになって。
心の中に彼の居場所ができていた。
……皮肉だよ。
彼の口から出た<娘>という言葉で、改めて<好き>を実感するなんて。