春に咲く柚
「ああ。だからそれまではここで退避してる。日向は暑いから」


「まぁ、せやな。じゃ、僕も邪魔してええか?」


手でどうぞ、と応えると、恋は微笑んで日陰に入ってきた。


二人で木にもたれ掛かりながら、白熱している会場内を見遣る。


今行われているのは、千メートル走だった筈。


控えている生徒達も立ち上がり、懸命に走っているチームメンバーに声援を送っている。
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