夢を忘れた眠り姫
しばらくキッチンにいた彼がお風呂場へと移動したのを察知した所で部屋を抜け出し、流し台で歯を磨いて素早く自室に戻り、私は予定通りいつもよりだいぶ早めに床に就いてしまった。
やはり夢の世界にはたどり着けないまま朝を迎え、ある程度身支度を整えてからキッチンに行き、いつもと同じ流れで朝食の準備をしてそれを食していると、例のアンニュイ貴志さんがフラリと現れた。
「…おはようございます」
「おはよう」
お互い何事もなかったかのように挨拶を交わす。
「貴志さんて、何時頃家を出てるんですか?」
彼の朝食の準備が整いダイニングテーブルに着いた所で、私は入れ違いにカウンター内へと入りつつ問い掛けた。
「多少は前後するけど、基本的には8時ちょっと過ぎかな。10分台に来る電車に乗ってるから」
「そうですか。じゃあ、私はそれより一つ前の便に乗れるように家を出ますね」
洗剤を泡立てたスポンジで皿を撫でながら言葉を返す。
「職場の人に『付き合ってる』宣言をする羽目にはなりましたけど、同居していることまではさすがにバラすつもりはないですもんね。二人仲良く同伴出勤なんかしてたら色々とマズイでしょう」
「そうか…。でも、先に出てもらっちゃって良いの?」
「ええ。だって、電車は数分おきに来るんだから大した時間差じゃないですし。それに、前のアパートの時もそれくらいの時間に家を出てましたから」
やはり夢の世界にはたどり着けないまま朝を迎え、ある程度身支度を整えてからキッチンに行き、いつもと同じ流れで朝食の準備をしてそれを食していると、例のアンニュイ貴志さんがフラリと現れた。
「…おはようございます」
「おはよう」
お互い何事もなかったかのように挨拶を交わす。
「貴志さんて、何時頃家を出てるんですか?」
彼の朝食の準備が整いダイニングテーブルに着いた所で、私は入れ違いにカウンター内へと入りつつ問い掛けた。
「多少は前後するけど、基本的には8時ちょっと過ぎかな。10分台に来る電車に乗ってるから」
「そうですか。じゃあ、私はそれより一つ前の便に乗れるように家を出ますね」
洗剤を泡立てたスポンジで皿を撫でながら言葉を返す。
「職場の人に『付き合ってる』宣言をする羽目にはなりましたけど、同居していることまではさすがにバラすつもりはないですもんね。二人仲良く同伴出勤なんかしてたら色々とマズイでしょう」
「そうか…。でも、先に出てもらっちゃって良いの?」
「ええ。だって、電車は数分おきに来るんだから大した時間差じゃないですし。それに、前のアパートの時もそれくらいの時間に家を出てましたから」