夢を忘れた眠り姫
『っていうか、俺のことをどう紹介するつもりなのか?ってこと。指示通りあんまり深い部分までは話してないんだよね?それとも、ゆめちゃんの部屋に直行してそこでコソコソと密談するの?かなり怪しまれると思うけど』

「……状況が変わりましたので、ある程度の所までは事情を明かしたいのですが」


私は考え考え、言葉を繋いだ。


「今日新たに発生したトラブルについては彼も無関係ではありませんし。そしてベンさんとの話し合いにも参加してもらうつもりです」

『ふむ。それだったら…』
「あ、ただ」


私は慌てて補足した。


「ベンさんに依頼している案件の、一番肝心な部分についてはやっぱり秘密にしておきたいんです。とにかく、前にベンさんからご指導受けたように説明しますから、そこは私に任せて下さい」

『分かった』


返答してからベンさんは続けた。


『知人に飲みに誘われてたんだけど、断ってゆめちゃんの方に行くわ。急遽仕事が入ったって言えば納得すると思うし』

「え…。す、すみません」

『いや、もともとあんま乗り気じゃなかったんだよね。それに、何人かいるうちの一人だから、俺が抜けたからって特別支障はないし。で?今、ゆめちゃんはマンションに居るの?』

「あ、いえ。実はまだその帰り道で…」

『一人?』

「……例の同居人さんも一緒です」
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