夢を忘れた眠り姫
今までは意識していなかったから法則性に気付かなかったけど、思えばこういう状態の時に私はよく夢を見ていた。

久しぶりに、お父さんとお母さんに会えるかもしれない。

刹那的な再会を、かりそめの世界で堪能しよう。


「そっか。じゃあそれが逃げないうちに、早く眠らないと」

「すみません…。貴志さんを足止めしておきながら、自分はさっさと床に就くなんて…」


あまりの眠さに若干呂律が回らない。


「そんなこと気にしなくて良いから、ホラ、行った行った」


そう急かしながら貴志さんが腰を上げたので、私もそれにつられるようにして立ち上がった。

そしてお互いが対峙した所で、ふいにその事実に気が付く。


……私は一体今まで何を見て来たのだろう。

七三だって黒縁メガネだって休日のお父さんルックだって。

そんなの全くハンデにならないくらい、貴志さんは超絶にカッコいい男性じゃないか。

絵本の中の王子様だって、きっと彼には叶わない。

そもそも比べるつもりもないけれど。

だって私は貴志さんが良いんだから。

貴志真守はこの世で唯一無二の存在だから。


突如、私の中で、男前番付け世界一に君臨した彼は、その称号に相応しく、目眩がするくらい眩しくて爽やかで艶やかな笑みを浮かべ、囁いた。


「お休み。いい夢見ろよ…」
< 277 / 277 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:28

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

荒野を行くマーマン

総文字数/15,060

恋愛(オフィスラブ)24ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
2020年4月13日公開
臆病でごめんね

総文字数/30,432

恋愛(オフィスラブ)51ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
2018/4/14公開 4/15完結
夢見るぶつぶついちごちゃん

総文字数/819

絵本・童話4ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
2016/9/15公開、完結

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop