再現教室~死のリプレイ~
「あの子の葬儀って、どうしてだ?」


ただ1人、事態を理解していない続が混乱した声を上げる。


「リンちゃんはね……イジメられて自殺したの。あたしたちの手によって」


あたしはそう言い、自分の手を見下ろした。


あたしはこの手で彼女の髪の毛を引っ張り、頬を叩いた。


その時の光景は今でもリアルに思い出すことができる。


雨が沢山降っている夕方の校舎は誰もいなくて、逃げるリンちゃんをあたしたちは取り囲み、そして暴行を加えたんだ。


その時に……有紀も、いた。


有紀は逃げるリンちゃんを足をひっかけて転ばせ、その体に馬乗りになっていた。


『ここにいたよ!』


獲物を捕まえたと知らせる有紀の声が脳裏によみがえって来る。


「イジメ……?」


続が目を見開いてあたしを見る。


あたしは小さく頷いた。


本当はイジメなんてしたくなかった。


有紀と2人でメンバーを抜けようと思っていた。


でも、その前にリンちゃんは自分から命を絶ってしまったんだ。
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