再現教室~死のリプレイ~
すでに次のイジメのターゲットを探し始めていたことを知り、あたしは咄嗟に「わかった」と、頷いたのだ。


リンちゃんと同じ目には会いたくない。


死にたくない。


そんな、思いから……。


その翌日からクラスメートの一番地味な女の子がイジメられるようになった。


その時もまた、あたしは影から千鶴に手を貸していたのだ。


その子が泣いてわめいて、何も悪くないのに『ごめんなさい!』と叫ぶ姿を見てみぬふりをしていた。


この子がイジメられている間は、自分は安全だ。


そう思い、ホッとしていたのだ。


あたしはそれらを思い出しながら続の隣に移動した。


これで葬儀の《リプレイ》は終了だ。


《それではこれより採点に移ります》


採点なんてしなくても、千鶴はうずくまったまま動いていない。


あたしは千鶴の元へと近づいていった。


さっきより少し落ち着いているようにも見えるけれど、その目は空を彷徨い、そして歯はギリギリとかみしめられているのがわかった。


「千鶴、《リプレイ》終わったよ」


あたしがそう言うと、千鶴が目だけを移動してあたしを見た。
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