レンタル彼氏


「そのまさかのまさかよ」


「はぁ???
信じらんない!
出来てたらどーすんのよ」


「出来てないって!
そんなガミガミ言わないで」


「即病院行くこと!
いいね!」


「思い過ごしかも知れないし
もうちょい待ってる」


「待つってバカじゃないの?
もし出来てたらさ
一日一日お腹の中で大きくなるのよ?
早く行きなさい」


まさか
まさかよね
そんなはずないもん。


もし出来てたら???
そんなの答えは決まってる。


産む選択肢は考えてはいけない
望んではいけない。


だが・・・
ーーー妊娠???ーーー


そう思うと自分が
妊婦になった気になるのか
コーヒーを入れてても
匂いで気持ち悪くなる。


「ゲボッ」
あっ。。。ついつい。。。
ヤバイ誰がに見られたら
と周りを見たが
誰もそこには居なかった。


つわり???


本当にそーなのかな?
そーだったらどーしよう。


「妊娠でもしてんですか?」


誰も居ないはずの給湯室に
人影が。


「翔太!」


「つわりですかぁ?」


「そんなわけないでしょ」


「ですよねぇ 円香先輩は
彼氏居ないっすもんね」


「おい!こら!怒るよ?」


「あれ?居るんですか?
妊娠するよーな相手が」


「失礼よねあんた!」


「そーっすよね
彼氏じゃなくてもその可能性は
ありますもんね
遊ぶ相手とか?
いやぁ 円香先輩が
そんな女なんて信じたくない」


「こら!好き勝手に言うな!
妊娠とか違うし!
体調が悪いだけなの!
夏バテ。。。そう夏バテなのよ!」


「そーですよねぇ
円香先輩に限って・・・ねっ!」


翔太って ムカつくやろうだ。


「当たり前です!
ただの体調不良!
変なこと言って言いふらさないでね
あたしが変な目で見られるから」


と釘をさしておいた。



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