ヘタレな野獣
「本当に大丈夫なんだろうねぇ田崎君・・・」

部長は眉間に皺を寄せて、雨宮さんに視線を送る。

「後は私に任せて頂けたのでは無いのですか?」

今私達は、自分の所属する部の部長室に居る。


「しかし、だねぇ・・・」

エントランスには降りたものの・・・

さっき感じた直感を信じ、戻って来てしまった。

「袖すり合うも・・「ああぁ、皆まで言うなわかったよ、君の好きにしなさい。但し、猶予は今月一杯、それまでに使い物にならなければ、分かるね?会社も慈善事業してる場合じゃ無いんだよ」
「ありがとうございます」

私は部長のオッケーを貰い、深々と頭を下げた。彼も私に続き慌てて頭を下げる。



そして、部長室を後にした私達は再び人事へと足を向ける。

「あのぉ、本当に僕なんかでいいんでしょうか・・・」
「良いも悪いも、貴方は引き抜かれて此処に居るんでしょ?だったらもっと胸を張って!」
「ひっ、引き抜きったって、人違いだったんですよ?」

うぁあ、もう、ゴチャゴチャうるさいったら!

私は歩くのを止めて、後ろを歩く彼の方へ振り向いた。

「うわぁあっ!田崎さん、急に止まらないで下さいよ!」

勢い余って私にタックルを食らわす。

ドキッ・・・

また、不覚にもときめく自分に驚いた。


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