黒猫の住処

あの雨の日

〈大和side〉
あの雨の日、何かを思い悩んでいるような女の子がいた。
それは通りが速い道路の前で、もしかしてと悪い予感がしたら案の定その子は飛び出そうとした。
そのとき、俺はとっさに体が動いた。
俺はなぜかこの子だけは死なせちゃいけないと思ったんだ。
「バカか!!!死にたいのか!?」
とその子に怒鳴るように言った。
そうするとその子は
「なんでよ!!なんで止めるのよ!!」と言って猫を抱きしめて泣き出した。
すごく、重いものを抱えていたようだった。
きっと俺だけでは解決できないようなすごく重いものを。

そのあと、クロとミケは俺の家に住むようになった。

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