妖怪なんて見たくない!
だんだん、蘭だけが師匠に呼ばれるようになった。
蘭は妖怪を殺すための術を教わるようになってたんだ。
俺たちが住んでるのは森の奥にある大きな屋敷なんだけど。
ある日、離れを通った時、聞いたんだ。
バシン!
人を叩いた時の音が聞こえた。
「お前の妹の治療費は
私が全て賄ってるんだ。
言うことを聞け。
聞けないならばお前の妹も深月も、
どうなるかわかってるんだろうな」
「…………わかりました」
蘭の声だった。
蘭は、道元家の汚れ仕事を全てさせられてたんだ。