今日もきみに夢中♥
最高に振り回されるよね
夜道を歩きテントを張った場所まで戻ると、カレーのいい匂いがしてきた。


ぐーっ。


しまった、お腹がなってしまった!


慌てて足元の砂利をこすりつけ、わざと音を鳴らす。


わざとらしい!?


やっぱ今のは、口の音だとごまかそうかな。


そう思っていたら。


「あー腹減った。花咲んとこのカレー、何カレー?」


「え、あー…」


とりあえず、聞こえてなかった?


それとも、わざと会話を振ってくれたのか。


「何カレー…甘口カレー…かな?」


「いや、そーいうんじゃなく。野菜カレーとかさ」


「あああ、そっちね!なんだろ、料理は柴ちゃん担当だから。知らないの」


あたしも、そっちね!じゃないよね。



何カレーって聞かれてるのに、ホント慌て過ぎ。


「へー。うち、夏野菜カレー」


「おいしそー!」



「けど俺、野菜嫌いだからなー。ルーだけのカレー食う予定」



えーっ、それは悲しい!


< 206 / 460 >

この作品をシェア

pagetop