眼鏡男子に愛されて
眼鏡はノンフレームか銀縁!!

眼鏡男子との出会い


「なんかさぁ、眼鏡かけてると、地味ってか………ガリ勉? みたいに見えない?」


「そこがいいんじゃないのよ!!!」


もうすぐ夏が始まる、暑い昼休み。

弁当を広げながら、眼鏡について熱く語っているのは瀬野 泉美(せの いずみ)。

自他ともに認める、大の眼鏡好きである。


「なんていうか、あの知的な感じ? 馬鹿な男子共とは違う、一歩引いた大人の魅力があるのよ! 眼鏡には!」


「あーごめん、ちょっと何言ってるか分からない」


それを至って冷静に受け流すのは友達の鈴川 百合(すずかわ ゆり)。


会話のとおり、百合は眼鏡には別に興味が無い。

ただ、この眼鏡をこよなく愛してやまない友人に付き合ってやるほどには、なかなかに恋に興味もある現役女子高生だ。


「じゃあ何、眼鏡なら誰でもいいわけ?」


「そ、そそ、!」


「……?」


「そんなわけ、無いでしょうがーーーーーーーーーーーー!!!!」


「うるさい」


卵焼きをくわえながら眉をしかめる百合をよそに、泉美は信じられないというような顔で力説する。


「いい!? 眼鏡にはそりゃあ、似合う、似合わないはあるのよ! でも、女子がよく騒ぐ『黒縁』なんてのは私に言わせりゃ邪道なのよ、邪道!! わかる!?」


「全然」


「やっぱり眼鏡はオーソドックスにノンフレーム!! せめて銀縁!! あの知的なアイテムが似合ってこそ男よ!!」


そこまで言ってやっと弁当の中身を口にする泉美に、百合は呆れた目でふーんと返した。

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