運命の恋は健康診断から始まる
それにしたって結城さんはちょっとおかしいと思う。
今も全っ然、動じてないし。むしろ楽しそう。
「うわー、高倉さん心狭い。まあ、高倉さん歩ちゃんに夢中ですしね。かわいくてしょうがないって感じだもんね」
ニヤニヤしながらそう言う結城さんの頭を宗一郎さんがまた叩く。今度はグーで。
「いたっ!」
「分かってんならほんと帰れよ」
怒ってる宗一郎さんを宥めようと一歩踏み出した私は、椅子につまづいてしまう。
「わっ!」
「歩!」
転びそうになった私を宗一郎さんは抱き止めて心配そうに私の顔を覗きこむ。
「大丈夫?痛いとこない?どこかぶつけた?」
「だ、大丈夫」
そう言うと宗一郎さんはハアッと息を吐く。
「ほんと、危なっかしい。結城のことなんか放っといていいから、ちょっと座ってて」
そう言う宗一郎さんのことを目を丸くして見ていた結城さんが私を見る。