運命の恋は健康診断から始まる

「あ、はい。冬は健診少なくなるので、比較的休みがとりやすくて」


私がそう言うと高倉さんはそうなんだ、と言って笑う。
う、やっぱり笑顔すごく素敵だ。


心臓がドキドキしてきてしまって、とりあえず落ち着かなきゃと私は慌てて言葉を紡ぐ。


「今日はお仕事休みなんですか?」


「いや、夜勤明け。ちょっと寄り道したんだけど……よかった、かな」


ダ、ダメだ。じっと私を見てる高倉さんに心臓がうるさいくらいドキドキいい始めてくる。


というかこんなとこで立ち話しちゃったけど、夜勤明けって言ってたし買い物の邪魔しちゃ申し訳ない気がする。


すごい偶然だからもうちょっと話したりしたいけど、夜寝れないって辛いし。高倉さんも迷惑だろうし。


「ご、ごめんなさい。夜勤明けで疲れてるのに買い物の邪魔しちゃって」


そう言って離れようとした私の腕を高倉さんはなぜか慌てたような顔で掴む。


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