君を忘れる方法


「遥...希。」


その隣には奈々美。


何を言われるのか正直怖かった。


「この前、駅で俺に話しかけたよな?」


「あ...。う、ん。」


「まさか、奈々美の友達だったなんてな!」


笑顔で言う彼は全く変わってない。


「うん...。」


「ごめん、俺はお前のこと覚えてないんだ。」


覚えてない...。


彼の口から聞くとやはり想像していた以上に辛かった。


「ううん!全然大丈夫だから!笑」


今の私はちゃんと笑えてるんだろうか。


「よかった!それならこれから友達としてよろしく!」


そう言う彼は、私に手をさせしのべてきた。


とてもじゃないがその手を握りかえせるほど


私も心が広くない。


「あ!ごめん!用事あるんだ!それじゃ。」


いつもこうだ。私は逃げてしまう。


今もそう。


私はいつも弱虫。
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