おにいちゃんの友達
母親っていう存在は時に恐ろしいほど勘がいい。

私自身が気づいてないことですら、ズバズバと言い当ててきたりする。

「いいんじゃない?マサキ君。いい子だもん。かっこいいし、好きになってもおかしくないわ。」

勝手に私が好きだと前提で話進めてるし。

「ユイカって、本当に男っ気ないけど、自分から告白とかしたりしないわけ?」

しつこいな。

イライラしてくる。

「お母さんには関係ないし。」

最後の一口をかき込んだ。

「ごちそうさま!」

いつもならダラダラテレビ観てるけど、今日は状況が違う。

お皿を重ねて流し台まで持っていくと、そのまま2階に逃げるように上がった。

「いつでも相談乗るわよ~。」

ダイニングから母が調子に乗って叫んでる。

こういうのが一番苛立つのよね。

人の恋愛をオモチャにしてるっていうか。

こっちは真剣なのよ。

大人にとったらただの子供の恋愛かもしれないけど、こっちは母が想像しているよりずっと繊細なんだから。

ベッドの上にドンと大の字で寝っ転がった。

寝っ転がったまま、あゆみおばちゃんにメールをする。

『土曜日遊びに行ってもいい?』

きっとあゆみおばちゃんになら好きな人の話もできるような気がする。

絶対母みたいにちゃかさないし、真剣に話を聞いてアドバイスくれるもの。

しばらくして返信があった。

『久しぶりね!是非いらっしゃい。お昼ご飯も用意しておくわ。』

やった!

おばちゃんってお料理上手なんだよね。

おでんとか、スペアリブの煮込みとか最高。

『楽しみにしてる!』

速攻返信をした。
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