Pioneerーあなたは私のパイオニアー

初デートっ!

夏祭りー私達が付き合い始めた日ーの翌日。
今日は土曜日ということで、早速初デート。
(夏祭りが初デートかもしれないけど…)

「武志ーっ!ごめんね、待ったかな?」
約束していた時間に3分ほど遅れてしまった私。
「うん、待った。でも、その間に色々考えられたし。大丈夫だよ、美月。…あ、今来たって言った方が良かったかな?ごめん…」
恋愛ドラマでよくある「待った?」「いや、今来た」という流れが、私はあまり好きでない。やっぱり、恋人には正直に答えてほしいと思うからだ。
「ううん、私は正直に言ってくれる方が好きだなぁ。…って私が遅れたのにごめんね?」
「なら良いんだ。俺、いつもはっきり言い過ぎだって言われて振られてたから…」
ん…?いつも振られてた…?
ちょっとこの人、元カノ何人いるのよ。
…よし、面倒なことは考えないで、今日は楽しもう!
「ねぇ、行こうよ!」
「あぁ。さ、俺の車の乗って?」
私は免許しか持っておらず(車を買うほどのお金がない…)、しかも大学生以来運転をしていないため、運転する私も乗せる人も多分恐ろしいと思う。
それは付き合う前、彼に話した。
…これからもデートの時は武志に運転を任せようではないか。

「ねぇねぇ、今日はどこ行くの?」
「水族館とショッピングモール、どっちがいい?」
いや、この二つに共通点を見つけられないんだけど…。
「ショッピングモールがいいな~」
「じゃあ、ショッピングモール行こう」
こうして武志が運転する車は、草下からも八川からも離れたショッピングモールへと走り出した。
< 19 / 59 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop