特別なのは私だけ
「アヤ、帰るぞ!!」
放課後タクミが迎えに来る

「ん?タクミじゃん?なに?今日タクミと帰るの?」
あっ…マミちゃんにいうの忘れてた。

「あ、マミちゃん…」
「わかってる!また連絡まってるよ」
マミちゃんに言おうとすると同時にマミちゃんがそういう。
本当マミちゃんにはかなわない…

「じゃあタクミもまたねー」
手をふりながらマミちゃんは先に帰ってしまった。

「んじゃ、かえるか。」
「そうだね」
何を話していいのか分からなくて下を向いて歩く。

「アヤさぁ…やっぱシンのこと好きなの?」
急にタクミが話しかけてくる。

「えっ?」
驚いてタクミの方に顔をあげる

「図星かよ!お前この前シンと会ったときのこと覚えてる?」
タクミが真剣な顔になる。

「あんまり…」

「やっぱなー。というか…すまん。シンに余計なこと言ったな俺。シン俺とお前が付き合ってると思ってる…。この前お前があんまり泣きそうな顔してたから…ごめんな」
なんとなくあのときの事を思い出した。

「タクミ、あの時たぶんタクミが来てくれてなかったら私あの場で泣いてたと思う。だから謝らないで??ありがとう」
なぜかそう素直に感謝していた。

「でも…シンくんにはちゃんと話さないとね??さすがにタクミも付き合ってるとか言いすぎだからね?」

「お前本当ばかだよな。それでいいんだよ。とりあえずお前がシンをちゃんと諦めるまで!」

「なんで??そんなんなくても諦めるって決めたの!」
口調が強くなる

「ほらな!そーゆーとこ。一人でいて絶対シンの事で泣いたりしてるんだろ??そんなとき俺を頼れよ?シンと彼女を一人で見てるのが辛いなら俺がいれば見えない位置にたってやるよ。」

なぜかタクミの言葉が嬉しかった。

「まぁ今は、深く考えるなよ?俺に甘えときなさい!それに今だけだぞ?ふりとはいいえ俺と付き合えるの!俺に好きなやつができるかお前がシンを諦められたら終わり。な?」
そういってにこっと笑い
「まぁ…俺が暇だからとりあえず付き合え」
と続けた。

「ん?それが目的??私そんな暇じゃないよ!!」

「暇だろ?シン追いかけてた時間がこれからあくんだぜ?」
タクミが悪戯っぽく笑う
なにも言い返せない。

「まぁ、よろしくなアヤ」

「タクミ、ありがとう」
タクミにのせられたみたいだったけど素直に今はそれが本当にありがたかった。


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