好恋
わたし


「華恋!ボーッとして!また涼くんのこと考えてんの!?!?」
「うわ、びっくりしたぁ!」

私は和泉華恋!

高校1年生。

彼氏は・・・いない。
でも好きな人ならいる。

でもその人との距離は遠くて、会ったことも話したこともない。
誰かというと・・・

アイドルグループ「Ruvy」のセンターの神谷涼くん。

私が小学校6年生の頃から好きな人で涼くんがいるからって好きな人も彼氏もできたことはなかった。

「あんたさぁ、コンサートにでも行かない限り涼くんとは会えないんだよ?それなのにずーっと涼くん涼くんって言ってたら一生彼氏できないよ!?」
「そんなの、わかんないじゃん・・・」

この子は私の親友の福山結衣。
私と違って美人でスタイルが良くて学校のマドンナ的存在の子。
いつも私のことを心配してくれてる。

「せっかく華恋可愛いのにさぁ・・・中身がアイドルオタクじゃなぁ・・・」
「可愛くなんかないし!それに・・・涼くんのことはオタクとかそういうんじゃなくて・・・ほんとに好きなんだもん。」
「ハイハイ、いつかまた涼くんに会えるって信じてるもんねぇ」
「バカにしてるでしょ・・・」

私が涼くんを好きになったきっかけ。
それは小学校6年生の頃。
公園で捨てられていた猫を見つけた時。私の家はお母さんが猫アレルギーでその子を連れて帰ってあげたくても連れて帰れずに途方に暮れていた時、私の後ろから声がした

『俺がその猫連れて帰ろうか』

その声をかけてくれた人が涼くんだった。
私より4つ年上で、目がとても澄んでいて、思わず見とれてしまったことを今でも覚えている。

「いつか会えるもん・・・」

私は今日までずっと涼くんに会えることを信じて夢見てきた。

そんな夢が現実になるとはまだこの時は思いもしなかった。
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