ケンショウ学級
監獄実験3日目
囚人達の朝は早い。朝の6時になると看守達がやってきて僕らを起こしていく。
そう考えると看守達は僕らよりも早くに起こされているのか?なら、言い方が違うな監獄の朝は早い。
「さっさと起きろ!整列だ!」
看守役も手際が良くなり、恐らく担当の独房を決めたのだろうテキパキと扉を解錠していく。
「おはよう06番」
「おはようございます、笹木看守どの」
春馬は僕らの扉を開けて、笑顔でそう言った。僕は、出る際に春馬に笑顔で返した。
「…………。
06番待ちなさい」
「え?」
すると急に春馬が僕を呼び止めた。独房の中を見ると亮二がまだ眠っている。
「起床時刻だから10番を起こしてあげなさい。点呼に遅れてしまう」
フリースペースの白線には、欠伸をしたりしながら皆が並び始めていた。そして、その目の前には担当の看守が整列していた。
「うっ……」
その時に一瞬だけ目が合った。あれは正気の目じゃない。僕は言い知れぬ不安を抱いた。
確かに、このままでは亮二だけが間に合わなくなってしまう。僕はすぐに独房に戻り、上段で寝息をたてる亮二に声をかけた。
「おい10番起床だ。おい!」
肩を持って揺さぶるけれど、亮二は起きる気配がない。僕は耳元で小さく言う。
「亮二早くしないと、僕らだけ遅れちゃうぞ。みんなもう揃ってる」
「分ぁかってるよー」
寝起きが悪いのは知っていたけれど、この生活に慣れてきたからなのか、疲れているのかは分からないが亮二は起き上がりもしない。
「……おい、ちょっと待てよ」
春馬の慌てた声がして僕が振り返ると、独房の中に入ってこようとする看守を春馬が止めていた。
「アキラ……なんだよその目?」
「は?」
アキラは僕の胸ぐらを乱暴に掴みあげて、顔を近づけて威嚇した。
「囚人のくせに呼び捨てって舐めてるのか?里見看守だろ?」
「おい!いくらなんでもこれはやり過ぎだろう、手を離せ!」
春馬が無理矢理にアキラの手を僕の服から引き剥がした。かなり強い力だったのだろう襟元がだらしなく口を開けてしまった。
「お前の担当の囚人だけ点呼に間に合ってない。不出来な仲間の手助けに来たんだよ」
そう言ってアキラはなんのためらいもなく、亮二の身体をベッドの端まで引き寄せて、耳元で怒鳴りつけた。
「10番、貴様ぁ!起床の時刻だと言っているだろうが!!」
それはこの独房の中だけでなくフリースペースにも響くような、叫び声で何人かの女の子はびくっと肩を震わせていた。
「うわぁ!なにするんだ!?鼓膜が破れるかと思ったじゃないか!!」
さすがの亮二もそれで飛び起きて、アキラに向かってそう言った。
「亮二……」
今のアキラに対してそんな態度とったら胸ぐら掴まれるだけじゃ済まないぞ?いくら暴力は禁止ってルールが守ってくれるからって気を抜きすぎだ。
僕を恫喝した様な表情なのだろうと半ば確信しながら、アキラの顔をちらりと確認した。その瞬間の寒気は今までに感じたことのない、深く突き刺さる冷水に身を浸した様な寒気だった。
アキラは笑っていたのだ。
囚人達の朝は早い。朝の6時になると看守達がやってきて僕らを起こしていく。
そう考えると看守達は僕らよりも早くに起こされているのか?なら、言い方が違うな監獄の朝は早い。
「さっさと起きろ!整列だ!」
看守役も手際が良くなり、恐らく担当の独房を決めたのだろうテキパキと扉を解錠していく。
「おはよう06番」
「おはようございます、笹木看守どの」
春馬は僕らの扉を開けて、笑顔でそう言った。僕は、出る際に春馬に笑顔で返した。
「…………。
06番待ちなさい」
「え?」
すると急に春馬が僕を呼び止めた。独房の中を見ると亮二がまだ眠っている。
「起床時刻だから10番を起こしてあげなさい。点呼に遅れてしまう」
フリースペースの白線には、欠伸をしたりしながら皆が並び始めていた。そして、その目の前には担当の看守が整列していた。
「うっ……」
その時に一瞬だけ目が合った。あれは正気の目じゃない。僕は言い知れぬ不安を抱いた。
確かに、このままでは亮二だけが間に合わなくなってしまう。僕はすぐに独房に戻り、上段で寝息をたてる亮二に声をかけた。
「おい10番起床だ。おい!」
肩を持って揺さぶるけれど、亮二は起きる気配がない。僕は耳元で小さく言う。
「亮二早くしないと、僕らだけ遅れちゃうぞ。みんなもう揃ってる」
「分ぁかってるよー」
寝起きが悪いのは知っていたけれど、この生活に慣れてきたからなのか、疲れているのかは分からないが亮二は起き上がりもしない。
「……おい、ちょっと待てよ」
春馬の慌てた声がして僕が振り返ると、独房の中に入ってこようとする看守を春馬が止めていた。
「アキラ……なんだよその目?」
「は?」
アキラは僕の胸ぐらを乱暴に掴みあげて、顔を近づけて威嚇した。
「囚人のくせに呼び捨てって舐めてるのか?里見看守だろ?」
「おい!いくらなんでもこれはやり過ぎだろう、手を離せ!」
春馬が無理矢理にアキラの手を僕の服から引き剥がした。かなり強い力だったのだろう襟元がだらしなく口を開けてしまった。
「お前の担当の囚人だけ点呼に間に合ってない。不出来な仲間の手助けに来たんだよ」
そう言ってアキラはなんのためらいもなく、亮二の身体をベッドの端まで引き寄せて、耳元で怒鳴りつけた。
「10番、貴様ぁ!起床の時刻だと言っているだろうが!!」
それはこの独房の中だけでなくフリースペースにも響くような、叫び声で何人かの女の子はびくっと肩を震わせていた。
「うわぁ!なにするんだ!?鼓膜が破れるかと思ったじゃないか!!」
さすがの亮二もそれで飛び起きて、アキラに向かってそう言った。
「亮二……」
今のアキラに対してそんな態度とったら胸ぐら掴まれるだけじゃ済まないぞ?いくら暴力は禁止ってルールが守ってくれるからって気を抜きすぎだ。
僕を恫喝した様な表情なのだろうと半ば確信しながら、アキラの顔をちらりと確認した。その瞬間の寒気は今までに感じたことのない、深く突き刺さる冷水に身を浸した様な寒気だった。
アキラは笑っていたのだ。