ケンショウ学級


「おかしいよ」

「あ?何がおかしいってんだよ根暗ぁ!」


佐野くんが指差した先にあるはずのものがなくなっていたのだ。

「大上先生の死体がない…………!!」

佐野くんも扉の近くを見た。

そこには黒焦げになって倒れているはずの大上先生の姿がなくなっていた。

「はーん。

なるほど、なら尚更出られそうじゃねぇか!」

「え?」

大上先生の死体がなくなっているから尚更出られる?

この教室から佐野くん達が出ようとしたから、それを止めようとした大上先生が殺されてしまったのに?

「分かんねぇか?あの先公がいねぇってことは、あのドアが開いて誰かが運び出したってことじゃねぇか」

「そっか!もしそうなら外には誰かがいるかもしれないし、今ならあのモニターの変なやつにバレないかもしれない」

田口くんと佐野くんは顔を見合わせて笑った。


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