イジワル御曹司と花嫁契約
 小さく手を振りながら、離れる寂しさと必死で戦う。


今夜も会える、その約束がなかったら、遠ざかる背中に抱き付きに行ってしまいそうだ。


うっかり気を緩めたら、好きと口走ってしまいそういなるくらい、体中が好きで溢れている。


 彰貴が誰で、私が誰で、身分だとか将来のこととか、そんなことどうだっていいくらい、好きになってしまった。


傷つくのが怖かったけれど、傷ついたって構わないくらい、彰貴が好きで、彰貴を求めている。


 この恋を全力で守りたい、消え行く彰貴の背中を見つめ、そう思った。


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