イジワル御曹司と花嫁契約
君だけのシンデレラ
季節は移りかわり、半年が経った。


 彰貴とはあれから一度も会っていないし、連絡もない。


まるであの日々は夢か幻だったかのように、日常は平凡で穏やかに、けれど仕事は貧乏暇なしで目まぐるしく働いている。


 母もだいぶ歩けるようになってきて、たまにお店にも顔を出せるほど回復した。

早く働きたいと言うのが口癖で、無理をさせず、自宅で安静させることが一番大変だ。


 お店の危機的状況は今でも続いている。


とにかく今はがむしゃらに働き続けるしかない。


 光の見えない、出口のないトンネルを進んでいるようで、不安に駆られることもあるけれど、頑張るしかない。


皮肉なことに、それが私の活動源でもあった。


 彰貴のことを思い出さない日なんてなかった。


辛くない日なんてなかった。今でも大好きだし、忘れることはできないと思う。


それでも、きっといつかは時が解決してくれる。


そんなことを思っていたある日、突然彰貴が私の目に映った。
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