イジワル御曹司と花嫁契約
東郷財閥の若きイケメン御曹司。


それだけで絵になるし、記事にもなる。


とんでもない人と付き合っていたのだと思った。


別れることになったのも、当たり前かとため息を漏らした。


住む世界が違うのだ。


元々、出会うことすら叶わないような人。


溢れ出そうになる恋心に、そっと蓋をした。


 それから半年後、まさか今度はテレビで彰貴の姿を見ることになろうとは。


 そういえば八重木さんが、彰貴は恐ろしいことを企んでいるかもしれないと言っていたことを思い出す。


もしかしたら、このことだったのか。


 いずれにしても、私にはもう関係のないことだ。


八重木さんも言っていた。


これは彰貴の宿命なのだと。


戦う時が来たのかもしれない。


 どうしてお父さんを排除しようと動き出したのかは分からない。


実のお母さんや私が彰貴のお父さんの差し金によって、彰貴の前から姿を消したということを彼は知らない。


だから、彰貴のお父さんの何が気に食わなくてこんな行動に出たのかは分からない。
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