イジワル御曹司と花嫁契約
「あっ! お母さん、まだドレス選んでないの!?」


 照れ隠しもあって、まったく用意の進んでいない母に、抗議の声を上げる。


「ああ、お母さんはいいの。着ないから」


「はあ!?」


 え、私一人で写真を撮るっていうこと!?


「ああ、そろそろお迎えの車が来る頃だわ」


「お迎えの車? 何言ってるの?」


 スタッフの方が、ちょうど車が来たことを告げる。


スタッフと母は最初から連携を取っていたようで、計画通りに事が進んでいることに満足げに微笑んでいる。


 困惑している私の背中を押して、出口へと誘導する。


「え、ちょっと待って。この格好で外に出るの?」


 こんな豪華なドレスを着て外に出て通行人に見られるなんて、まるで罰ゲームだ。


スタッフがドアを開け、お母さんが無理やり私を外に出させる。
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