イジワル御曹司と花嫁契約
 せめて、心の準備だけはしておきたかった。


何が起こるかなんて検討もつかないけれど、彼に会うのか会わないのか、それだけで大きく変わる。


「……着けば、分かります」


 ……そうきましたか。


八重木さんの口の堅さに、ため息が出る。


それくらい、教えてくれたっていいじゃない。


こっちは何が起こってるのかすら分からないのに。


 十分ほど経っただろうか。


「着きました」


 と八重木さんは言い、まるで海外の大豪邸の門のように大きな鉄柵の中に入っていった。


広大な敷地の中は、まるで都心に佇む皇居のように緑豊かな自然に囲まれている。


門の中を進んでいくと、一軒の邸宅のようなレストランが見えてきた。


まるでお屋敷やお城のように大きなレストランで、店の外にはスタッフや警備員らしき人が数名いて、着飾った貴婦人や令嬢、紳士たちがにこやかに店の中に入っていく。
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