イジワル御曹司と花嫁契約
「それにしても、女性は化粧や服でここまで変わるものなんですね。

迎えに行く人物が胡桃様だと知っていたら分かりましたけど、知らなかったら気付かなかったかもしれません」


 明らかに話を逸らそうとして、別の話題を振られた。


「もう、そうですよ、こんな格好で外に出るなんて恥ずかしすぎます!」


「大丈夫です。もっと派手な格好をした方達がたくさんいますから」


「どこに行くんですか!?」


 話を元に戻されたことに気付いた八重木さんは、あ、しまった、というような雰囲気を背中から醸し出していた。


「……着けば分かります」


 再び、同じことを言って逃げられた。


これ以上聞いても無駄だと悟った私は、諦めて背中を座席に埋めた。


「分かりました。逃げないから、一つだけ教えてください。

……今向かっている場所に、彰貴はいますか?」
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