イジワル御曹司と花嫁契約
胡桃と別れて、父親と戦った株主総会。


全てを捨てる覚悟で挑んだ。


正直、勝てるかどうか最後まで読めなかった。


実の息子とはいっても決して許しはしないあの人の性格上、反旗を翻した俺は後がなかった。


それでも戦い抜けたのは、胡桃の存在があったから。


あいつと絶対に一緒になりたいと思ったから。


会えない時間が、俺を強くさせた。


 仕事は、絶対独裁者の父親が抜けたことで、案外上手く回っている。


もちろん混乱もあるし、彼の経営の才覚は天才的だったから、不安視する社内の空気もある。


でもそれも、これから俺の実力で杞憂だったと思わせればいい。


仕事に対して不安はない、あるのは自信だけだ。


 そんな俺にも、一つだけ頭を抱えている問題がある。


かなり深刻な問題だ。
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