イジワル御曹司と花嫁契約
おまけ後日談② プールサイドの甘いひととき
たっぷりの水が張られたプールの水面が、照明に照らされて煌めく星々のように輝いている。


東京の夜空は星が見えない。代わりに、地上のビルたちが明かりを照らし、綺麗な夜景が一面に広がっている。


 夏の夜、まだ一度も入ったことのない家のプールサイドに腰かけて、膝下を水につけて足元を包み込む水の感触を楽しんでいた。


 ちゃぷちゃぷ、足を揺らすたびに水面に波が浮かび上がって、それが幻想的に輝いているのを見るのが楽しい。


 夜風に癒されながら心配事もなく、ゆったりとした気持ちでいられるなんて、なんて贅沢なんだろうと思う。


多くの贅沢を体験してきたけど、こういう何もない時間を過ごすことが、一番の贅沢に感じてしまう。


まだまだ私は、セレブの生活になれない。
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