イジワル御曹司と花嫁契約
夜空を見上げて深呼吸をする。


ああ、幸せだなあ……。


そう思っていた時、急に後ろから抱きしめられて、前のめりになって危うくプールに落ちそうになった。


「きゃあ! 危ない!」


 びっくりして声を上げると、さっきまでビーチベッドで本を読んでいた彰貴がいつの間にか後ろにして、目を細めて笑みを浮かべていた。


「可愛い後ろ姿だったから、つい」


 彰貴はまったく悪びれた様子もなく言った。


「可愛い後ろ姿ってなに?」


「いい女だなって見てたら、ムラムラしてきたんだよ」


 彰貴の言葉に照れてしまっている私をよそに、彰貴は私の隣に腰をおろして、自身の足もプールの水に入れると、


「お、いいかんじの温度」


 と言って、まんざらでもなさそうな顔をしている。
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