未来絵図 ー二人で歩むこれからー
「奈々子さんが付き合えば、松本さんと、仲良くなれるよ!ねぇ~奈々子さん。」
ー宮崎しおり 一昔前に流行ったウルフカットに、耳には500円玉くらいの、シルバーのピアスをし、胸は奈々子の方があるのに、年下には思えないほど、色気を振り撒く二年目。
「よく、しおりちゃん、それ言ってるよね。」
「だって松本さん。奈々子さんには甘あまじゃないですか?繁忙期には、差し入れするし、奈々子さんがいるときだけ。しかも、遅くなると、さりげなく待っててくれたり。うちらの同期めちゃめちゃうらやましがってたし。」
と、興奮して言うしおりに対して、奈々子は、う~んと考え込む。
「入社一年目の、ストーカー事件も聞いてますけど。それだけで、三年、さりげなく待ってくれたりしませんよ。」
さらに、力説するしおりに新司が質問する。
「なんっすか?その、ストーカー事件って。」
しおりは、"そっか、知らないんだよね。"なんていいながら勝手に語りだした。
奈々子は、智也を、好きだと自覚した時の出来事を振り返ってみる。