未来絵図 ー二人で歩むこれからー 

 智也は、コンビニに寄ると夕食などを買い込んでいた。奈々子は、ぼっ~とコンビニに移る自分の姿をみていた。

 いつもは、アパートの下まで送り届けてくれる智也だが、奈々子を部屋の前まで今日は送り届けた。

「早く入れよ。」

「松本さん。」

「私、彼氏には連絡したくない。」

「ん?」

「でも、今日は一人でいたくない。」

そう、うつ向きながら言うと、"奈々子。"と優しい声が聞かれる。

「一人にするわけないだろ?…部屋入れてくれるか?」

 奈々子は、その言葉な声に安心感を覚え、初めて部屋に招きいれた。

 この時、彼氏は遠方に二週間の出張の真っ只中。

 でも、そんなことは関係なかった。

 ただ智也にそばにいて欲しい。このひとじゃないとダメだ。

 智也は、奈々子が眠るまでそばにいて、目が覚めたときは、そばで微笑んでくれた。

 ふたりの間には何もなかった。

 でも、この日はっきりしたことは、奈々子は智也を好きだと言うこと。

 ー彼氏とは、別れようー 

 そう決めたのだ。
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