未来絵図 ー二人で歩むこれからー 

 まばらに会議室から出ていく。奈々子はため息をつきながら席をたつと、

「大きく出たわね。」

と、声をかけられる。

「やよいさん。……ぶちぎれていっちゃったよ!」

「でも、勝算あるんでしょ!?あっ初めまして。黒崎やよいです。新人君。」

「あっ牧田新司っす。」

「しかし、奈々子ちゃんの回りはみんな、支配人のことハゲじじいって言うわね。伊納ちゃんもしおりちゃんも。」

"えっ!?"と聞き返すと"あの二人も会議出たとき言ってたよ。"と笑いながら、教えてくれた。

「なんか、私が言わせてるみたいじゃない?」
 
 奈々子は苦笑いした。そんな、奈々子の横にすっと長身の影が現れる。

「大丈夫なのか?奈々子。」

「え!?早番じゃ。」

 早番で退勤したはずの智也が、私服姿でたっていた。"大丈夫よ。無理な数字じゃないし。"と笑うと"いや、それは、心配してないよ。"と言われて、衣装のこと心配してくれたのかと、わかった。

「やよいさんが、連絡くれて。大体、聞いてたんだけどさ。牧田くんがガツンと言ったから、外で待機してた。」 
「松本さん!俺のこと知ってたんっすか?めちゃめちゃ感激っす!こんど飲みに行きましょ~。」

と、興奮して騒いでる。智也は、そんな感動することか?と言いながらも嬉しそうだ。

「じゃ、今日一緒に来るか?」

「ほのぼのにですか!?いいんっすか?」

 奈々子とやよいは顔を見合せ、"いいよ~。""ね~。"って笑う。

「ショップの二人も呼んで牧田くんの歓迎会しようか。奈々子ができてないって気にしてたしさ。」

 皆の予定があわず、確かに歓迎会が、まだだったことを思いだす。
 
「やった!!あっ、話戻りますけど、本当にあんな約束大丈夫なんっすか?」

 奈々子は、飄々とした様子。やよいはふふふっと笑う。

「新人時代に先輩差し置いて、クリスマス商戦トップ。社長賞とったやつが言うんだから大丈夫だよ。」

 智也がニヤっとしながら答えた。
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