未来絵図 ー二人で歩むこれからー 

「それに入社一年目には、仮装して、ファンが出来るくらい、人気じゃなかったか、君は。」
 
 ーあ。これは、嫌がらせだ。ーと誰もが思った。

 奈々子はじっと北山を見ている。

「胸は見えない作りだから大丈夫だろ。あっ、色気出しすぎて、前みたいな、ストーカー事件は、止してくれよ?」
 
 はははっと笑われながら言われて、奈々子が口を開こうと思った際、新司が口をひらく。

「それセクハラっすよ!?」

「君は、新人かね!その言葉つかいは、何だ!」

「皆の前でセクハラ発言したの、わかってないんすか?案外、この姿みたいのは、あんただったりしてな。エロじじい。」

 新司の発言に会議室が、静まりかえる。

「あっ、ハゲじじいかな?づれてますよ。」

 その言葉に誰かが"ぷっ"と笑うのが聞こえた。北山は、鏡を出して頭を確認し、咳払いした。
 
「……。あのときは導線が出来て売上高が2倍近くあったじゃないか?人も増えたことだし、奥に引っ込んでばかりじゃなく、表に出たらどうか?着るだけで2倍いけばいいじゃないか。」

「…わかりました。」

「えっ、奈々子さん!?」

「広報にはまだ、話してなかったんですが。人材も増えたことですし、私達も、GWのイベントに参加させていただきます。衣装を着るだけで2倍と言われましたよね?衣装を着て、イベントに参加し売り上げ3倍さらに、ショップ売り上げトップになった際は、今のセクハラ発言を皆さんの前で謝罪をしていたたきたいです。」

「売り上げトップでいつもの3倍!?達成したときは、土下座でも何でもしてやる!……もう解散だ!」

 勢いよく会議室をでたが、一瞬足がとまり、去って行くのがわかった。
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