未来絵図 ー二人で歩むこれからー 
 奈々子は、ふたりの距離感が程よくて好きで、歩調をあわせくれる智也に対して、心のなかでいつも、お礼を言う。

「今日、打ち合わせがあるだろ!?装飾の。」

「ん。14時から。1件。」

「こだわり強いらしいから。直接頼むわ。」

「分かった。知り合い?」 

「あー。社長の知り合いの娘さんたち。昨日、会場みせて欲しいって言われて案内したからさ。」

「あっまた、社長。お気に入りだね、本当に。」

 ふふふって、笑うと、"また、それ言う。"と苦笑いした。 

「奈々子に任せたら安心。よろしくな。」

「了解。」

 奈々子は、その言葉にニヤニヤしてしまい、下を向きなかもら答えた。

 智也は、余計なことは言わないでも、誉めるとこのポイントはしっかり押さえて、奈々子のボルテージをあげてくれるのだ。

 そんな話をしてたら、分かれ道がきた。右は、ホテルに続く道、左はショップに続く道。

「じゃ、終わったら連絡して。ほのぼのまで一緒にいこうか!」

 智也が微笑んでる。

「えっ!?今日、早番でしょ?」

「どうせ、ここらへんにいるよ。連絡して、危ないからさ。」 

「ありがとう。連絡するね。」

 奈々子は、笑顔で答える。

 お互いに背を向けて、職場に向かった。
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