イケメン上司と とろ甘おこもり同居!?
「だから君が無神経な同期に強引に頼まれてるの、聞こえてました。」
「…っ」


同期はなにも悪くない。
悪くないのは分かてるんだけど、私も正直、無神経だと思ってしまった。
でも、そんな私の気持ち分かってくれて、言葉に出来ないモヤモヤを代弁してくれる人がいて。ちょっとだけ、心が軽くなった気がした。


「候補はあるの?」


跨線橋を渡って駅前まで来て、鈴木さんが辺りをキョロキョロと見渡した。


「はい…、ここは現実的に考えて、商品券とかにしようかと。あ、あと旅行券とか」
「じゃあその現実的な案は最終手段にとっといて。まずはあの店に入りましょう。」


鈴木さんが指差したのは、お洒落な輸入物が揃う雑貨屋さんだった。


「私、このお店に入るの初めてです」


可愛らしい雑貨の数々に目を奪われていると、隣には、話し掛けたはずの人の姿はなく。「あれ?鈴木さん…?」早速はぐれたようだ。

広い店内は、休日のショッピングを楽しむ若者で混雑している。
人混みを縫うようにして歩き、背伸びをして探していると。


「さっきの人、めちゃくちゃ格好良くなかった!?」
「うんうん!ハーフ?モデルさんとかかな!?」


擦れ違う女性たちが、興奮気味に後ろを何度も振り向きながら、耳打ちし合っている。

もしかして…。
と思い、その目線の先を辿ってみる。


「あっ!」


キッチン用品のコーナーに、鈴木さんの姿を発見。
社内はおろか、世間でもこうして女の子たちから注目を浴びるなんて凄いなぁ、と感心しながら近付くと。鈴木さんは手になにやら茶色いものを持っていて、神妙な顔で私を見据えた。


「これなんかどう?藁人形」
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