イケメン上司と とろ甘おこもり同居!?
◇ ◇ ◇


「__じゃあ鈴木さん、ご検討よろしくお願いします!」


商品開発部の前。

ぱたぱたと忙しなく足音を響かせて、鈴木さんの元から若い女性が去ってゆく。鈴木さんはうんともすんとも言わず、気怠そうな眼差しでぼんやりと、渡された紙に目を落とした。

相手の女性は作業服を着ていたから、工場で働いてる方かもしれない。廊下で打ち合わせでもしていたのかな、と思いながら、コンビニ帰りの私は総務部に向かって歩いていると。
ゆったりとした緩慢な動きでこちらを見た鈴木さんと、不意打ちで目が合った。


「……?」


おいでおいで、と手招きしている。

なんだか嫌な予感がする…。
前にもこんなことあったんだよな、と躊躇っていると、鈴木さんの方から近付いてきた。


「…僕、今もしかしてシカトされましたか。」
「そ、そんなつもりは…!打ち合わせですか?」
「いや。」
「でも、さっきの方って工場の…?」
「そうです。こないだ打ち合わせで行った工場の製造部門で働いてる子に、こんなものを渡されました。」


鈴木さんが私に差し出したその紙を覗き混むと、それは誰よりも私が一番よく知るものだった。


「あ。バーベキュー大会のご案内…じゃないですか」
「本社の社員とその家族が参加可能らしいけど、なんか工場の子も参加したいみたいで、どうのこうの」
「せっかくの機会ですし大歓迎ですけど…。でも、なぜそれを鈴木さんに“検討”していただくのでしょうか?」
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