イケメン上司と とろ甘おこもり同居!?
「部長補佐ったら、ほんっとおモテになりますね~」
「なにその上司に向かって馬鹿にしたような口振りは。」


悠長な声で言った鈴木さんに、またクスクスと碓井さんが笑った。


「馬鹿になんてしてませんよ。部長補佐のそういうギャップに、女子たちはやられるんでしょうね、きっと」
「ギャップってなに。そういうこと、普通本人を目の前にして言う?」
「はは、すみません。じゃ、私お昼行ってきまーす」


碓井さんが小走りで、社員食堂の方へ去っていく。
鈴木さんは手にしていた丸めた紙で、反対の手をポンと叩いた。欠伸をして、眠たそうに目を擦る。いつもなら、きっと午睡タイムなのだ。


「鈴木さんはきっとどこかに、オンとオフのスイッチがあるのですね」


私の台詞に、「は?」鈴木さんは眉をぴく、っと動かした。


「碓井さんが言ってたギャップのことです。ほら、鈴木さんっていつも無気力ですけど、チョコレートや甘い物のことにになると目付きが変わるもの。常にオフのようにも見えますけど、ことスイーツやお菓子に関しては本気ですし」


黙って私の考察を聞いていた鈴木さんは、丸めていた紙をぺらりと開き、口元を隠すようにして目を細めた。


「本気になるのは、そういうときだけじゃないんだけど。」


目しか見えないから、笑ってるのか怒ってるのかよくわからない表情で。


「僕の新しい一面、知りたい?」


ずんずんと、間合いを詰めてくる。


「…ち、近いんです、けど…!」


後退りしすぎて行き場をなくした私は、壁際に背を付けた。


「社員が来ます、離れてください!」


顔を近付けてきた鈴木さんの肩を、精一杯押し返した。


「だったら、誰にも見られないとこでだったらいいの?」
「…は!?それも勘弁です!」
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