イケメン上司と とろ甘おこもり同居!?
鈴木さんは変な噂が立ったら困る、って……。


「読んだ?あの紙の裏。」


唐突に目配せされて、「はい…」私は慌てて頷いた。


“短い間でしたが、お世話になりました 。 鈴木”


「君の部屋を出るにあたって、どうしても話したいことがあるのですが。」
「へ?」


長めの前髪をさらりと揺らして、鈴木さんは私の顔を覗き込んだ鈴木さんは、容易く私の視線をうばった。


「発表しても、宜しいですか?」


日は西に傾き、朱色と藍色が淡く混ざり合う。
美しい黄昏の空は、次第に藍色の方が強くなり、その下にいる人の姿を誰かわからなくさせるけれど。


「な、なんですか」


このチョコレートのような甘い甘い、中毒になりそうな匂いで、私の脳は鈴木さんを識別する。


「君の匂いに、惹かれてる。」


全身が脈打ったような気がした。


「は、はい……?」
「だから昨日の晩、あんなに部屋を出てって欲しそうにされて、さすがにショックだった。」


低く、不貞腐れたように言った鈴木さんは、「ったく。ほんと鈍感だな、君は。」さっきから直立不動でいる私の目を、真っ直ぐに見た。「言ったでしょ、好きだって。」
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