Revive
prologue
人の死はあっけない


人は脆く弱い


人は強く寂しい


こんなにも不完全なのに何故人は生まれたのだろう




目の前に死体がある


さっきまで息があったのだろうが今はもう無い


その実感がないほど綺麗な死体だった


泣きたい


雨が止み 空は夕暮れている


そんななか彼女は死んだ


あと少しで救えた


何故救えなかった


太陽が彼の影を作り出す


「……なんでだよ」


彼は彼女を抱き寄せ、言った


「……なんでなんだよ」


彼女の体は驚くほど冷たい


「嫌だ……」


彼女は彼女でない


「嫌だよ……」


もう助けられない


「誰でもいいから……助けてくれよ」


自分に力がないのは自分が一番わかってる


「うあぁ……」


彼女はもう助からない


「うあああああああああああ!!!」


彼は叫んだ


「おめでとう!!君は選ばれました!!」


謎の声が耳に入らないほど
< 1 / 30 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop