秘密 ~生徒に恋して~
「あのさ…俺、先生と桜見に行きたい。いつ頃咲くのかな。」
「いいね…。どこの桜がいいかな」
「家の近くの堤防の桜がいい」
そうか…二人にとっては想い出の場所だ。
「きっと三月の終わりか、四月にならないと咲かないよね。引っ越し終わったら、戻って来てもいいよ」
「まだ蕾も咲いてないのかな。先生の部屋から桜並木見えるんだろ?確認してよ」
「まだ三月初旬だもん。まだこれからでしょ…
それにいくら近いったって、ここから蕾までは確認できな…」
私はカーテンを開け、窓の外を見て言葉に詰まった。
夕闇の中、堤防の桜の木の下に人影が…
目を凝らして見ると、そこには悠也の姿があった。