秘密 ~生徒に恋して~


「今日は手が下の方に落ちて来ないようにお願いしますね~」

悠也が悪戯っぽく笑いながら言う。

「なっ…」

私はあの日のことを思い出して動揺し、何か言おうと思ったが、悠也がまたすぐに口を開いた。

「それなりの覚悟があるなら別ですけど~」

これもまたふざけた言い方をして笑う。

「覚悟?何?どういうこと?」

私は意識して胸より下あたりに掴まりながら聞く。

「片瀬くんの初体験の相手になって、手取り足取り教えてあげてもいいわよ~的な覚悟?」

「はっ?!」

「いやっ!冗談だよ、冗談!」

「片瀬くんって、まだチェリー君だったの?」

「そっち?…〝ふざけたこと言うんじゃないわよ!〟って怒られるかと思ったのに」

「あっ…」

「不良はみんな、やりまくってるとか思ってんのかよ」

「いやっ、別にそういう訳じゃ…」
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